009:道 (ゲール&ユーミン)(side:Gale)

(side:Gale)


姉ちゃんが、ベランダに立ってぼーっとしてたから、声をかけてみた。

「何、ぼーっとしてんの?」

でも、返ってきたのは普通の返事だった。

「別に。・・・なんでもないさ」


『なんでもない』

でもこう言うときに限って、何かあるものだ。


「絶対何かあるって。姉ちゃんってここに居る時、いつも何か考え事してるじゃん」

その通り、普段はここには来ない。
何かあったら、いつもここに居る。


「・・・何を今更、って思うかもしれないけど、時々、考えるんだ」

そこで姉ちゃんは一旦、言葉を切った。

「あの日、タイムトラベルして良かったのかな、って」

「・・・・・・」

僕は黙って、その話に耳を傾けた。


「確かに、あの時タイムトラベルしていなかったら、違う未来が待っていたかもしれない。・・・おそらく僕らが望んでいない未来だけど。

でも僕は、タイムトラベルを実行した。

本当に、それで良かったのかな、って」


過去のことを考えるなんて馬鹿みたいだな、と一言付けたし、姉ちゃんは自嘲的な笑いを浮かべた。


「・・・馬鹿みたいなことじゃ、ないよ」

「・・・え?」

僕の突然の言葉に、姉ちゃんは困ったようだ。
僕は話を続ける。

「僕もあの時、タイムトラベルには反対した。でも、姉ちゃんは実行した。だけど、後悔はしてない。だって、」

僕は姉ちゃんを見て、言った。

 

「自分が正しいと思った道が、一番正しい道だから」

 

009:道 (side:Gale)

 

(自分がいいと思えば、それでいいんだよ)
 

↓お題配布元

追憶の苑