Pioggia(ゲール)

 

今日は朝から一人。
姉ちゃんは、用事があると言って出かけていった。

いつもなら、もう学校に行っている時間だ。
今日みたいな休日でも、友達と遊びに行ったり、パソコンでゲームでもしている頃だろう。

でも今日は、ただぼうっとしている。
何をするにも、やる気が起きないのだ。

それは恐らく、昨日から降り続いている雨のせいだろう。

気分がすっきりしない僕は、ベランダに出た。


ベランダは、水浸しだった。
鉢植えの花も、葉や花びらに水滴がついている。

ふと空を見上げてみると、灰色の雲が一面を覆っていた。
そこから降ってくる透明な雫は、街の中に消えてゆく。

その中の一滴が、僕の手に落ちた。
だけどそれは、僕には似合わなかった。

僕、否、僕達は、本当はここには居てはいけない、中学生 兼 魔法使い 兼 暗殺者。
そんな僕達には、透明な雫よりも、真っ赤な血の雫のほうがお似合いだ。
(僕はあまりこの表現は好きじゃないが)

 

そんなことを考えているうちに、雨脚は強くなっていた。
このままだと濡れてしまいそうなので、部屋に戻った。

 

雨は、一向に止む気配を見せない。
雨粒がサッシに当たる音が、耳障りだった。

 

 


アメーバブログのグルっぽ「【創作小説】ネット上小説を宣伝しよう!」内のテーマ小説「雨」に参加した作品です。
とりあえず主人公視点で書いてみた。
思っていたより短い……。

 

ちなみに「Pioggia」はイタリア語で「雨」という意味です。