プロローグ


『時の流れ』というものは、

時には優しく、

時には悲しく、

そして時には、


空しく、残酷なものでもある。

 

 

 

 

時は昼過ぎ。
場所は東京郊外の住宅街。


そこで、白昼堂々その事件は起きた。


ガラスの割れる音。

人々の悲鳴。

何かを漁る音。

出てきた犯人。

その服と凶器に付いていた赤い液体。


それらに気づいた人々が犯人を追いかけようとしたが、

犯人は霧のように消えて、見えなくなってしまった。

 


その間に誰かが通報したのか、警察は割と早く現場に到着した。

目撃者の証言と、警察の捜査結果はこれだ。

 
<目撃者の証言>
 
 ・犯人は20代~30代、身長は160cmぐらい。
 ・髪の色は茶色
 ・性別不詳


<警察の捜査結果>

 ・被害者は有名な政治家一家
 ・凶器は刃物
 ・タンスを漁った跡がある


彼らは、この少ない情報で犯人を捕まえることができるのだろうか。


              ◆


 -某国某所-


「あいつ、遅いな……。まさか、失敗したのか?」
一人の男が、椅子に座って呟いた。

「きっと大丈夫ですよ。あいつはしょうもない失敗をする人じゃありませんから」
そばに居た別の男が言う。

「そうだよ。それにあいつ、俺たちのリーダーじゃないか」
壁にもたれて立っている、3人目の男も言う。


すると、彼らの居た空間の扉が開いた。


「悪い。派手にやったら捕まりそうになった」


そこに立っていたのは、茶色の髪をした女だった。