10月23日。
今日はハロウィンの一週間前。
「ブラッディ・ローズ」の5人は、彼らのボス・ゲールの家に集まっていた。
「さて、今年のハロウィンパーティーの用意に取り掛かろうか」
「はい!」
毎年、彼らの所属するミルトリーファミリーでは、10月31日にハロウィンパーティーを開いている。
ファミリーに所属する人やその関係者が、思い思いの仮装を楽しみ、騒ぎあう。
そして部署(部隊)ごとに、お菓子を用意して、交換し合う。
用意できなかったら、もちろんいたずらだ。
「じゃあ最初は衣装だな。リッキー、君は何をするんだ?」
ゲールが聞く。
「俺? 今年は黒猫にしようと思っているんだけど」
「黒猫!?」
聞いていた4人は驚いた。
「お、おかしいか?」
「いや、別に。リッキーって、今まで海賊や召喚士の格好ばっかりだったから、まさか黒猫にするとは思っていなくて」
ユーミンが慌てて説明する。
「まあな。でもたまには、今までと違ったものを試してみたくてな」
「なるほど。ローリーとサムはどうなんだ?」
「俺は吸血鬼だ」
「俺は悪魔の格好にする」
2人は順番に答えた。
「……何か、そのまんまだね」
「……そうだな」
ゲールとリッキーが言う。
ユーミンも「同意だ」と言う顔をしている。
何がそのまんまなのかは、今後の本編の展開に関わるので伏せておこう。
「それにしても、何でそうしたんだ?」
「簡単に言えば、ネタ切れというところかな」
「……だろうな」
リッキーは呆れた顔をした。
「で、2人は何するの?」
ローリーが聞く。
「僕はカボチャ柄のスカート。ゲールは……」
「どうかしたのか?」
「いや、それなんだけどな、」
「決まって、ない」
「……え?」
「そら、色々と考えてみたんだよ。でも、いいのが思いつかなくて……」
「……」
部屋に、沈黙が流れる。
それを破ったのは、サムだった。
「……だったら、もう、よくある魔法使いの格好でいいんじゃないか?」
「じゃあそうするよ」
「それでいいのかよ!」
あっさりそれに同意したゲールに、ユーミンがすかさず突っ込んだ。
「そういえば、ユーミンがスカートを穿くなんて珍しいな」
リッキーが聞く。
「ああ、それな。この前、用があってマリノの部屋に行った時に言われたんだよ。『ハロウィンの時ぐらいスカート穿けば』ってな。だから今回だけだ」
「そういうことねえ」
「うん。(絶対に僕がスカート嫌いと分かってて言ったんだ。終わったら仕返ししてやる……!)」
「あの、独り言聞こえてるんですけど」
「それは失礼」
「で、仕返しって何をやるの? それ以前にマリノはボスだけど」
ローリーが興味津々で聞いてきた。
「それは内緒だ。確かにマリノはボスだけど、僕から見ればあくまでも仲間だ」
「ならボスは誰?」
「……我が弟、ゲールだ」
「……本人の前でそんなことさらっと言わないでくれるかな」
ゲールが困り顔で言う。
「照れてんのか?」
「……別に」
(絶対照れてるな。……可愛いやつ)
ユーミンは内心微笑んだ。
「……ま、まあ、とりあえず衣装は決まったから、各自で用意してくれ。後、お菓子作りは29日、学校が終わってからここに集合だ」
「都合が悪い人はいないな?」
ゲールとユーミンが確認する。
「もちろん!」
3人が答える。
「では、解散!」
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